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先月、『絶チル』5巻の発売に合わせて『GS美神』ワイド版の新装版(ややこしい…)が刊行開始されました。
連載当時タイムリーに単行本を買っており通常版は全巻揃ってるはずなので本来なら買わなくても良いんですが、以前読み返そうとしたら何冊か見当たらなかったんですね。カオスなマイルームのこと、マウンテンサイクルのどこかに埋まってるだろうとは思うのですが、誤って処分ないしは紛失してしまった可能性も否定できません。丁度集め直そうかと思っていたところだったので、今回の新装版刊行は渡りに船でした。 そのタイミングの良い発売もさることながらそれ以上に椎名ファンとして嬉しかったのは、ノーマルワイド版からそれほど年月をおかずに新装版として再リリースされたことなんですよね。サンデーコミックスの人気作は普通、通常版→ワイド版→文庫版の流れをたどる(廉価版略)のですが、このタイミングでわざわざ新装版を出すからには何かしら意図があると思うのです。 考えるに、それは『GS美神』を知らない『絶チル』からの椎名読者の取り込みではないかと。 90年代のサンデーには今も語り継がれる名作を残した4人の作家がいました。『うしとら』の藤田和日郎、『帯ギュ』の河合克敏、『俺フィー』の村枝賢一、そして『GS美神』の椎名高志です。連載終了後も藤田と河合は『からくりサーカス』『モンキーターン』を、村枝は講談社に主戦場を移して『RED』『仮面ライダーSPIRITS』をヒットさせ現在に至っています。 一方椎名はといえば、終了後新しい連載もあったし短編も幾つも発表するなど仕事はこなしてきたものの『GS美神』の壁を越えられないまま今に至り、ファンとしては忸怩たる思いがあったのです。そんな中誕生した『絶チル』、これは良い!良いですな !! ヒット作の匂いがします。不思議なもので、売れる作品はそういう雰囲気を纏っているんですよね。実際同時発売された1・2巻は即売り切れ、重版がかかりました。 当然そこには、従来の椎名ファン以外の若い読者もいることでしょう。サンデーはそこに目を付け、『絶チル』からの読者に往年の名作『GS美神』を売り込むチャンスと判断したんだと思うのです。 上で私が“嬉しい”と言ったのは、『絶チル』のヒットが出版者側にビジネスチャンスと判断させるくらいのものだったという事実なのです。それはつまり、椎名高志完全復活ということを意味するものですから。 本当に長かったなあ。『絶チル』がどれくらい続くのか分かりませんが(作者の日記を読むとまだ半分も行ってないようですが)、少しでも長く脂の乗った椎名作品を読んでいたいですね。
by norabumi
| 2006-07-16 22:14
| 漫画
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