|
ツボを突くマニアックな作家陣が毎度魅力的なこの雑誌。気になってはいたものの、いつも忘れた頃に発売されるので買い逃してばかり。4号目にしてようやく初購入です。以下、お目当ての作家の感想など。
岩崎つばさ おまけ冊子・4コマあいらんどに掲載。 実は一番期待してた作家だったりします。岩崎・白泉社・4コマと揃った時点で『30girl』がくるのは堅いと踏んでたんですけどね……(『30girl』のコミック版は出版社が双葉社から白泉社に変更されたという経緯がある)。メーカー絡みだから色々とあるんだろうなあ。 さて掲載作の新作4コマの出来はといえば……正直微妙……。 井上和郎 やはりこの人は尊敬すべき変態ですね。 『あいらんど』はソフトエロ路線の雑誌だと思っていましたが、そこでよもや近親ショタ漫画を書いてこようとは。これがまた面白いからホント困ったものです。 八神健 作画も話作りも実に小慣れていて安定感があり、もうすっかりベテランの風情。安心して読める良作だなあと思っていたら、どうやら『ヤングアニマル』で連載開始予定の新作のプロローグ版とのこと。新米教師の成長物のようです。こちらも期待。 袴田めら こんなところでこの作家の作品が読めるとは思っていなかったので嬉しい誤算。 この人の作風は『あいらんど』には合わない気がするけど、読めるなら何処でもいいや。 鬼ノ仁&東雲太郎 本誌に限らず、ヤングアニマル系の雑誌が実力のあるエロ漫画家を引っ張ってくることは今更言うまでもない事実ですが、今回のこのお二人も正しくそういう扱い。 で、読んでみて感じたのは、エロから一般への進出は想像以上に難しいことなんだろうなということ(エロと一般で全く作風を変えることなく成功してるのは、パッと思いつくところでは花Qや平耕など。平耕の場合は一般誌の作風でエロをやっていたと言った方が正しいけど)。エロ漫画家としての何処が評価され何を期待されているのか、喚ばれた雑誌の性格、そこの読者が求めている物、等々を勘案し更に最大の武器であるエロも大幅に抑制される縛りの中で自分の個性を活かした作品を描かなければならないわけです。加えて、一般誌進出ということで必要以上に肩に力が入ってしまうこともあります。今回は正しくそのケースだと感じました。 先にも述べましたが『あいらんど』の基本路線はライト&ソフトなエロだと思います。この二人はエロ漫画界から喚ばれてきているわけですから、求められている物は言わずもがなでしょう。その意味で作品を見てみると、鬼ノ仁は好き嫌いの別れそうな妊娠エンド。普段とそう変わったことはやっいないんですが、掲載誌を考えるとこの話を描いたことが正解だったのかどうか……。一方、東雲太郎は気合いが入りすぎて逆に空回っている感じ。手抜きのない作画、個性的な話は評価出来るものの、今回はエロでやってる様なラブでコメったストーリーの方が受けが良かったのではないかと。 ヤングアニマル系には文月晃・甘詰留太・田中ユタカ等の転身成功組の先達がいるわけですから、彼らを参考にすれば良かったのに。 東雲は好きな作家なので、次があって欲しいなあ。
by norabumi
| 2005-11-19 22:55
| 漫画
|
ファン申請 |
||